火の女神ジョンイが任命された「沙器匠(サギジャン)」とはどういう意味なのでしょうか?

なぜ、「沙器匠」と呼ぶのでしょうか?

沙器匠の名前の由来や、それにまつわるお話をまとめてみました。


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目次

沙器匠の名前のルーツ

沙器匠そのものは日本語で言う「陶工」を意味するようですが、単にそれだけの意味ではないようです。

沙とはもともと砂のように非常に細かい粒子の事をさしています。

器はいわゆる入れ物・容器のの事ですから、沙器というのは細かい粒子でできた(磁器でできた)、茶碗、壺とかお皿とかを意味するわけですネ。

また、当時朝鮮で流行した「粉青沙器」という名前にも関係がありそうです。

そうした沙器を作る人たちの事が沙器匠達だったと思われます。

ここらあたりにジョンイが何故日本に来ることになったのかの秘密がありそうですネ。

粉青沙器の登場

元々朝鮮では、高麗王朝時代に中国渡来の青磁が珍重されていました。

高麗が滅び李成桂(イ・ソンゲ)が1392年に開いた李氏朝鮮王朝は儒教を国教としましたが、「質素、潔白」を要(かなめ)とする儒教思想を色濃く反映した白磁が尊重されるようになったという事です。

引用:「朝鮮王朝が成立。儒教思想を反映するかのように、質実な白磁が陶磁器の中心を占めました」 via 粉青沙器と技法 陶芸家 丸山陶李

15~16世紀になると「粉青沙器」と呼ばれる磁器が生まれ「白磁」とともに隆盛を誇りますが、その後衰退を迎え、豊臣秀吉の壬申の倭乱(文禄慶長の役、1592年~1598年)以降は途絶えてしまったと言われています。

引用:「15世紀後半に官窯で白磁が作られはじめると粉青刷毛目や粉青鉄絵などが展開し、その後、16世紀末の壬辰の乱を機に衰退していく。」 via 東洋陶磁 李朝陶磁 粉青沙器

王室専用の陶工製造所設置と沙器匠達

15世紀後半に李氏朝鮮で陶器の需要が高まるにつれ、王室はそれまで民間から調達していた焼き物を宮廷内で製造するための専門機関を作ります。

さらに、各地に分院(プノン)を設け需要に応えようとしますが、そこでは王室専属の数百名の陶工とその助手たちが働いていたと言われます。

その陶工の頂点にいたのが100名足らずの「匠=名人」、沙器匠達でした。

引用:「陶磁器の工人は沙器匠と呼ばれ,司饔院には 380 人の京工匠が所属して広州の官窯にあてられ,各地方には 93 人の外工匠が存在したとされる。」 via 朝鮮時代民窯の陶磁器生産と流通(pdfファイル)

当時、朝鮮で流行していた「粉青沙器」から「沙器匠」と言う名前がつけられたのではないでしょうか?

ちなみに、沙器匠は名誉ある称号で多くは世襲制であったようです。

現在の韓国にも沙器匠がいるようですが、日本でいえば焼き物の人間国宝にも相当する存在なのです。

粉青沙器印花文鉢


photo by: 陶磁器(中国・朝鮮・日本)

多くの沙器匠達が日本に渡来したワケ

さて、16世紀末に日本で流行した茶の湯ではこの「粉青沙器」が文化人や武士たちの間で大変人気だったようです。

壬申の倭乱当時は豊臣秀吉を始め、朝鮮へ渡った多くの武将たちも朝鮮の「粉青沙器」は喉から手が出るほど手に入れたかった珍品に違いなかったでしょう。

文禄慶長の役で日本に連れてこられた朝鮮人は技術者を中心に10万人にものぼったと言われていますが、その中で特に重要な技術者は、沙器匠(陶工)たちでした。

そして彼ら沙器匠たちが以降の日本の陶芸文化の発展に大きく貢献することになるのです。

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「火の女神ジョンイ」参考情報
公式サイト情報
「火の女神ジョンイ」

火の女神ジョンイ」は、ムン・グニョン(「メリは外泊中」)主演の歴史エンターテイメントドラマ。
朝鮮で初の女沙器匠(王のための器を作る陶工職人・サギジャンと読みます)となった女性のサクセスストーリーです。

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