韓国ドラマ『馬医』(バイ、マウィ)で主演のチョ・スンウが、一介の馬医から御医(王の主治医)にまで栄達する物語が語られますが、なぜ「獣医」と呼ばず「馬医」と呼ぶのでしょうか?

馬医も獣医の一種に違いないのですが、敢えて「馬医」と区別する名称があるのか、その疑問を探ってみました。

ドラマをより楽しむために役立つと思いますので、ぜひご一読くださいネ。


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目次

この記事の要点は、以下の3つです。

  1. 馬は重要な移動手段であり、軍事的にも、中国への貢物としても貴重だった。
  2. その馬を管理する司僕寺(サボクシ)は重要な役所であった。
  3. 司僕寺で働く馬医も官位を持つ役人で一般の獣医とは一線を画する存在だった。

馬医~歴史上の重要性

馬医の歴史上の重要性を知るには、まず歴史を紐解く必要があります。

公益社団法人 埼玉県獣医師会がまとめたコラム記事の中で興味ある一説がありますので、引用してみましょう。

引用:「595年 聖徳太子は、待臣 橘猪弼(たちばなえのすけ)に高句麗から来た 馬医術に長けた僧(恵慈)をつけ療馬法を学ばせました。(太子流療馬術) 獣医学教育第一号です。」
by-公益社団法人 埼玉県獣医師会

古代から東西を問わず、馬は高速で移動するための重要な交通手段でした。

特に、戦闘においては駿馬をより多く揃えた方が戦いに有利な事は疑うべくもありません。

騎馬軍団と呼ばれる戦闘単位です

古来より馬は貴重かつ高価であった

遠い昔、前漢(紀元前206年~西暦8年)末期に書かれた「淮南子(えなんじ)」という思想書に出てくる、有名な故事『人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)』に書かれた一説に「ある時、中国北方に住む老人の馬が逃げてしまった時、北方の馬は良い馬が多く、高く売れるので隣人達は同情して老人をなぐさめた」とあるように、『良い馬は高価である』と考えられていました。

この例にあるように、貴重な馬の治療を専門とする馬医の存在は、一般の獣医と一線を画すものであったと考えられます。

中国への貢物としての馬

高麗や李氏朝鮮の歴代王朝は中国によって王国と正式に認められ、忠節を尽くす存在(冊封国)でした。

王国として正式に認められるためには、中国皇帝の信頼と庇護は切っても切り離せず、兵役の供与や貢物(朝貢)は欠かせない行事の一つで、銀・織物を始め、良馬もその中に含まれていたのです。

また、朝鮮も馬を貴重な存在としていたため、馬医の存在は大きなものであったに違いありません。

司僕寺と馬医の関係

さて、
ドラマ『馬医』に登場する「司僕寺(サボクシ)」とはどんな役所なのでしょうか?

司僕寺は、馬医となったぺク・グアンヒョンと明国から帰国したカン・ジニョンが再会する場所ですネ。

記録を紐解くと、「司僕寺」は王室の輿(御輿)、馬、馬具、馬小屋、牧場を管理する部署で、正三品(チョンサンプム)の長官を頂点に、副長官(従三品)、僉正、判官、主簿、理馬(従正六品)、馬医(従七品)等を抱える立派なお役所でした。

ちなみに、正三品以上の官僚は堂上官(タンサングァン)と呼ばれ、王様へのお目見えができ、意見を具申できる高官です。

ドラマ『馬医』で、ぺク・グアンヒョン(白光炫)が御医に出世した時、「正三品」の地位を得ています。

ちょっと脱線しますが、朝鮮の神医と称えられるホ・ジュン(許浚)チャングム(大長今)も正三品の称号を得ました。

参考

司僕寺の重要性

軍事全般を司る兵曹(ピョンジョ)の管轄下に置かれていたことも、司僕寺の重要性が窺い知れます。

高麗時代の「太僕寺(テボクシ)」を前身とし、李氏朝鮮に「司僕寺」となったようです。

司僕寺は二つあり、宮廷内にあるものを「内司僕寺」、宮廷の外にあるものを「外司僕寺」と呼んでいました。

「内司僕寺」は王や王族を始め、大臣など重要人物の移動に関する全般を管理しており、「外司僕寺」は牧場などを管理していたようです。

馬医のまとめ

いかがだったでしょうか?

朝鮮における馬医の立場や重要性を描いてきましたが、要点をまとめると以下のようになります。

  1. 馬は重要な移動手段であり、軍事的にも、中国への貢物としても貴重だった。
  2. その馬を管理する司僕寺は重要な役所であった。
  3. 司僕寺で働く馬医も官位を持つ役人で一般の獣医とは一線を画する存在だった。

それではドラマ『馬医』をお楽しみください。

『馬医(バイ/マウィ)』全50話のあらすじと感想

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